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2006年8月27日 (日)

作文が書けない!

 ここ数年、子どもたちを教えていて、「作文が書けない」「作文を教えてほしい」と言われることが多くなってきたように感じます。ちょっと前までは、塾講師、家庭教師といえば、英語に数学だったように思いますが。作文教育(生活綴方教育)、言葉、言語、文学に関心を持っている私としては、うれしいかぎりです(笑)。やっぱり、作文、言葉の教育は大切だと思っていますから。

 2005年12月にOECDのPISA調査の結果が発表されました。2000年は8位だった日本の子どもの「読解リテラシー」は14位にまで低下しています。この調査の結果は、順位にとどまらず、質的に日本の子どもの学力を問うものであります。このことはまた、機会を改めて書きたいと思いますが、本当に深刻なんですよ!

 また、2006年2月に発表された、次期学習指導要領についての中央教育審議会の教育課程部会の審議経過報告でも、「国語力の育成」が重視されています。

 ちょっと余談ですが、この報告については、内田樹さんのブログ「言葉の力」 が非常に面白いと思います。言葉を「道具」としか考えない言語観を批判しています。言葉を畏怖すること、言葉の現実変成力。私は、内田樹さんに大きく影響を受けながら、「詩の言葉の持つ力」という論考を書いたことがありますので、大いに共感したものです。

 さて、本題に戻って。

 これだけ世の中が「国語」「言葉」の教育に注目しているわけですから、保護者の皆様が「作文を教えて」とおっしゃるのも尤もなことだと思います。

 もちろん作文にもいろいろな書き方がありますので、教えることはたくさんあります。作文から小論文、論文にわたっていく時にはなおさらです。

 でも、まず一番最初にやっておきたいなあと思うことは、たくさん「読む」ことです。

 作文は「書き方」を習えば書けるようになるものではありません。

 私たちは、これまで私たちが聞いてきた、たくさんのフレーズから取捨選択して、切り貼りをして、言葉を発しています。「私」が語っていることの中で、自分自身が考えたこと、全くの「オリジナル」な部分は、ほんのわずかでしかありません(今こうして私が書いていることも、多くは、内田樹や丸山圭三郎、ソシュール、R.バルトの「受け売り」です)。

 けれども、そのたくさんの言葉のストックの中から、何を選ぶのか、という点において、十分な「オリジナリティ」を発揮することができるのです。

 だから、「作文が書けない」と言う子どもたちには、まずは、たくさんの文章を読んでほしいと思うのです。話し言葉と書き言葉は、全くの別物です。たくさんおしゃべりができる子でも、「話すように書く」ことは難しいものですから。

 読むものは、何でもいいのですが、読書にも抵抗がある場合には、自分と同じくらいの子どもたちが書いた詩や作文はいかがでしょうか。

 手前味噌ですが、私も編集に参加した『ココロの絵本』というシリーズ本があります(それにしても、この「ココロ」というネーミングはひどいセンスですね、内田樹の「言葉の力」的には。でも、私の力では、ネーミングを変えることができませんでした(涙)。この本の中では、小学生から中学生、高校生の子どもたちが書いた詩や作文がたくさん紹介されています。「こんなことを書いてもいいんだ」と思えるような作品もたくさんです。

 まずは、読むことから始めてみてはいかがでしょうか。

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