教育系レポート作成例;教師論・今後の教員養成にとって重要だと思われることについて。
教育系レポートの作成例です。今回の出題は、テキストが示されていて、該当の章の全体を要約した上で、「今後の教員養成にとってもっとも重要だと思われることを」論じることになっています。要約をしなければならないという制約があるため、私としては書ききれなかったなあ、という気分がしないわけでもないのですが(汗)、掲載しておきます。皆様、ご批判をお寄せいただければ。
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出題:今後の教員養成にとって最も重要だと思われることを1つ取り出して、その重要性を論じなさい。
多岐にわたる深刻な教育問題が多発する中で、教育実践の担い手である教師の資質能力の向上が求められている。この期待に応えるため、文部大臣から「新たな時代に向けた教員養成の改善方策について」の諮問を受けた教育職員養成審議会によって、3次にわたる一連の「答申」が提出されている。
第1次答申(「新たな時代に向けた教員養成の改善方策について」)では、教員に求められる資質能力を検討し、期待される「教師像」が明らかにされている。続く第2次答申(「修士課程を積極的に活用した教員養成の在り方について」)では、第1次答申で求められた教員の資質能力を一層高め、得意分野づくりと個性の伸長を促進して、高度な実践的指導力を有する質の高い教員の確保のための方策が提言されている。そして第3次答申(「養成と採用・研修との連携の円滑化について」)では、「求める教員像」といった教師像をめぐって積極的な表現がなされている。
それでは、これからの教師に求められる資質能力とは何か。答申では、「得意分野を持つ個性豊かな教員」「現場の課題に適切に対応できる力量ある教員」が求められる教員像として掲げられている。このような教員像を目指して、教員養成や現職教員の研修において様々な取り組みがなされている。
教員養成に関わっては、学部の教員養成課程の再編が進められていることがあげられよう。また、大学院修士課程の活用も目指されている。伝統的に日本の大学はアカデミズムが根強く、高度専門職業人養成のための体系的なカリキュラムが編成されていないという問題が残されているものの、積極的に改革を行う大学も現れている。また、06年7月には「教職専門職大学院」の創設が中央教育審議会によって提言されており、今後ますます、修士課程段階での教員養成が重要となってくるものと思われる。こうして、明治以来の聖職、戦後教職員組合主導の労働者的教師を経て今日では、専門職的教師像が定着してきている。
では、専門職としての教師はどのような教師像なのであろうか。どのような専門職的教師像が目指されているかということは、今後の教員養成にとって最も重要だと私は考える。教師像という目標の内実によって、教員養成に関わる実践の内実が変わってくると思われるからである。専門職像の一つのイメージとして本稿では、D.ショーンの「反省的実践家」としての教師像に注目しておきたい。
ショーンによれば、従来の専門職モデルは、「技術的合理性」モデルであった。このモデルによれば、「専門家の活動は、科学的な理論と技術を厳密に適用する具体的な問題解決」(ショーン2001:19)にあるという。したがって、専門性の基礎は専門領域の科学的な知識と技術の成熟度に置かれる。教師の場合、教科内容の専門的知識と教育学や心理学の科学的な原理や技術が専門的力量として求められることになる。
しかし、このような科学的で合理的な技術の実践への適用という考え方に基づく専門職概念ではなく、「行為の中の省察」を中心的な概念とする「反省的実践家」という専門職像をショーンは提起している。教育の現場で考えるならば、教室や学校という場は、複雑な文脈の場である。そこでは、一人ひとりの子どもに即した問題解決が求められるのであり、ショーンがいうような「省察」と「熟考」によって問題をとらえ、その解決策を選択して判断することが、教師の専門性としてきわめて重要だと思われる。
このような教師像は、専門職としての教師を確立する上で、一つの指針となるのではないだろうか。その上で、教員養成のあり方を具体的に考えていくことが必要なのではないだろうか。(1500字;文献含まず)
引用・参考文献
ショーン(佐藤学・秋田喜代美訳)、2001『専門家の知恵――反省的実践家は行為しながら考える』ゆみる出版
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